45歳の誕生月に届いた「ねんきん定期便」を見て、将来の年金額が「月10万円ほど」と知り、不安になった方は多いでしょう。
しかし、年金は「今のまま決まってしまう」わけではありません。働き方の工夫や制度の活用次第で、将来の受給額を確実に増やすことが可能です。
この記事では、45歳からでも遅くない年金対策を、実践的かつわかりやすく紹介します。
45歳で年金額が少ない理由
ねんきん定期便に書かれている金額は、「これまでの納付実績」に基づいています。
そのため、60歳までの残り期間や今後の昇給は反映されていません。
45歳時点での金額が低く見えるのは当然のことなのです。
また、加入している制度の違いも大きな要因です。
厚生年金は「報酬比例」、国民年金は「定額支給」です。
働き方によって、将来受け取れる額は2倍以上の差が出ることもあります。
要因 | 内容 |
---|---|
加入年数 | 60歳まで納付を続けると15年分上乗せ |
標準報酬月額 | 昇給すると受取額も上昇 |
制度の違い | 厚生年金は国民年金より支給額が高い |
働き方 | フルタイム・パート・自営業などで差が生じる |
つまり、今後の15年間の工夫次第で、年金額は大きく変えられるということです。
今からできる年金を増やす3つの方法
国民年金の「付加年金」で確実に上乗せ
自営業・フリーランスの方は、月400円の付加年金を上乗せするだけで、老後に確実なリターンを得られます。
支払額の約2倍が将来戻る仕組みで、たとえば15年間支払えば支払い総額7万2千円に対し、受給時には約14万円以上が加算されます。
負担が少なく、確実に効果を感じられるのが魅力です。
項目 | 内容 |
---|---|
対象 | 国民年金加入者(第1号被保険者) |
月額 | 400円 |
効果 | 支払額の2倍が将来の年金に上乗せ |
メリット | 途中解約しても損になりにくい |
付加年金は「確実に増やせる選択肢」として、老後の安心づくりにおすすめです。
iDeCo(イデコ)で自分で育てる年金
iDeCoは、自分で積み立て・自分で運用する年金制度です。
掛金が全額所得控除の対象になるため、節税しながら資産を増やせます。
毎月2万円を15年間積み立てれば、360万円+運用益という大きな成果を得ることも可能です。
運用が苦手でも「定期預金型」や「元本保証型」を選べば、リスクを抑えて安心して利用できます。
項目 | 内容 |
---|---|
掛金の上限 | 月2万3千円(自営業)・月1万2千円(会社員) |
節税効果 | 掛金が全額所得控除、運用益も非課税 |
利用期間 | 60歳まで積み立て可能 |
メリット | 税金を減らしながら老後資金を増やせる |
「節税しながら貯める」という点がiDeCoの最大の強みです。
厚生年金や企業型年金を活用する
会社員やパートの方は、厚生年金加入が年金額を増やす最短ルートです。
とくに週20時間以上・月収8万8千円以上などの条件を満たせば、パート勤務でも加入できる場合があります。
さらに企業によっては、会社が掛金を負担する「企業型確定拠出年金(企業型DC)」を導入しているケースもあります。
これを利用すれば、自分の負担を増やさずに将来の年金を増やせるのです。
制度 | 対象 | 特徴 |
---|---|---|
厚生年金 | 会社員・一部パート | 給与に応じて支給額が上がる |
企業型DC | 導入企業の従業員 | 掛金を会社が一部負担 |
共済年金 | 公務員・教職員 | 安定した受給額が見込める |
働き方の違いで変わる年金額
働き方の選択は、将来の年金額を左右します。
たとえば同じ45歳でも、働き方の違いによって受給額には明確な差が出ます。
働き方 | 年金の特徴 | 想定月額 |
---|---|---|
国民年金のみ | 定額支給、上限あり | 約6.5万円 |
厚生年金加入 | 給与に比例して上昇 | 約10〜20万円 |
自営業+iDeCo | 自助努力で上乗せ可能 | 約8〜15万円 |
パートで厚生年金加入 | 条件次第で上昇 | 約9〜13万円 |
働き方を少し変えるだけで、老後の生活レベルがまったく違ってくることを意識しましょう。
年金以外の老後資金づくりも視野に入れる
年金だけでは老後の生活費をまかなうのは難しい場合もあります。
そのため、年金を補うための資産形成も重要です。
45歳から始めても遅くはありません。今できる方法をいくつか挙げます。
方法 | メリット | 注意点 |
---|---|---|
つみたてNISA | 非課税で投資できる | 投資リスクあり |
不動産投資 | 家賃収入が得られる | 初期費用が必要 |
貯蓄型保険 | 保障と貯蓄を兼ねる | 解約時の損失に注意 |
副業 | 収入源を増やせる | 税金・時間の管理が必要 |
特に、つみたてNISAとiDeCoを併用することで、税制優遇を最大限に活かした資産形成ができます。
年金を増やすための現実的なステップ
45歳から始める場合、無理のない計画が大切です。
焦るのではなく、確実に積み重ねていきましょう。
ステップ | 行動内容 | ポイント |
---|---|---|
1 | ねんきんネットで現状を確認 | 納付状況と見込み額を把握 |
2 | 働き方を見直す | 厚生年金加入や再就職を検討 |
3 | 節税制度を活用 | iDeCo・付加年金を組み合わせる |
4 | 生活設計を再構築 | 支出と貯蓄のバランスを調整 |
5 | 定期的に見直す | 年に1回は将来設計を更新する |
このように段階的に進めれば、無理なく年金額を引き上げることが可能です。
老後に必要な生活費の目安
老後の生活費を知ることで、今どれだけの準備が必要かが明確になります。
総務省の調査によると、夫婦二人の平均的な生活費は月約26万円。
年金が月10万円の場合、差額16万円をどう補うかが課題です。
支出項目 | 平均金額(月額) |
---|---|
住居費 | 約2万円 |
食費 | 約6万円 |
光熱費・通信費 | 約3万円 |
医療・保険費 | 約2万円 |
趣味・交際費 | 約5万円 |
その他 | 約8万円 |
年金を増やすとともに、生活費の見直しや副収入の確保も重要です。
まとめ
45歳で「将来もらえる年金が月10万円」と知っても、落ち込む必要はありません。
年金は「今後の工夫次第」で増やすことができます。
付加年金で確実に上乗せし、iDeCoで税金を抑えながら資産を育て、厚生年金への加入を目指す。
さらに、つみたてNISAや副業で収入源を広げることで、老後の安心は自分の手で築けます。
年金は「もらうもの」ではなく、「育てるもの」。
焦らず、着実に積み上げていけば、65歳の自分に確かな安心を贈ることができます。
今行動するかどうかが、将来の暮らしを左右します。
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