相対取引って何?ポイントと注意点を詳しく解説!

監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

相対取引は、株式や債券、デリバティブなどの取引の際に使用される方法の一つです。この取引方法は、取引所を介さずに相手と直接交渉し、売買を決定する形式で行われます。この記事では、相対取引の基本からメリット・デメリット、そして取引における注意点について詳しく解説します。

相対取引とは?

相対取引とは、取引所を介さず、売買の当事者間で直接に条件を交渉して行う取引です。株式市場や外国為替市場においては「OTC取引(Over the Counter)」とも呼ばれ、取引所で標準化された商品やルールに従うのではなく、各取引ごとに条件を設定できることが特徴です。


相対取引のポイント

相対取引には、以下のような重要なポイントが存在します。

1. 直接交渉が可能

相対取引では、売買当事者が直接交渉を行い、取引条件を決定します。これにより、価格や数量、取引日時など、柔軟な対応が可能です。

2. カスタマイズができる

取引所取引と異なり、相対取引では条件が自由に設定できるため、標準化された契約や規格に縛られず、取引のカスタマイズが可能です。これにより、特定のリスクヘッジや投資戦略に適した取引ができるのが特徴です。

3. 透明性が低い

取引が非公開で行われるため、取引価格や数量が市場に公開されません。このため、相対取引は市場全体に対する透明性が低くなる傾向があります。


相対取引のメリット

相対取引には取引の柔軟性や多様な選択肢が備わっており、特定の条件下では取引所取引にはない利点があります。

  • 柔軟性が高い
    相対取引では、取引条件のカスタマイズが可能で、当事者同士が直接交渉を通じて、ニーズに合った取引が実現できます。
  • 迅速な対応が可能
    取引所を介する必要がないため、短期間での売買や急な価格変動に対応した取引が行えます。
  • コスト削減
    取引所を介さないことで、取引所に支払う手数料が不要となり、取引コストの削減が可能です。

相対取引のデメリット

相対取引にはメリットがある一方で、注意すべきリスクやデメリットも存在します。

デメリットの要素内容
透明性の欠如市場に対して取引内容が公開されないため、透明性が低い
信用リスクが高い相手の信用力に依存するため、取引相手が破産するリスクがある
価格の不安定性取引価格が市場価格から離れることがあり、適正な価格で取引できない可能性がある

相対取引を行う際の注意点

相対取引には柔軟な対応ができる一方で、以下のような注意点も考慮する必要があります。

1. 信用リスクに対する備え

相対取引では、取引相手が契約に応じない、あるいは破産するリスクがあるため、信用リスクが発生します。対策として、相手の信用力を確認し、万が一に備えた対応策を準備することが重要です。

2. 価格変動リスクの考慮

相対取引では、取引価格が必ずしも市場価格に沿うわけではありません。そのため、適正価格で取引が行われているかの確認が必要です。市場価格と大きくかけ離れた取引価格での売買は損失リスクを高めるため、注意が必要です。

3. コンプライアンスの確認

相対取引には、取引所取引とは異なる規制や法律が適用される場合があります。そのため、取引前にコンプライアンス面の確認が必要です。特に外国との取引では、各国の規制に従った取引が求められます。


まとめ

相対取引は、取引所を介さないために柔軟で迅速な対応が可能であり、カスタマイズ性も高いのが特徴です。しかし、透明性が低いことや信用リスク、価格変動リスクといったデメリットも存在します。相対取引を行う際には、取引相手の信用や価格の妥当性、コンプライアンスを十分に確認し、安全な取引を目指しましょう。

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