高齢の母がご飯を炊飯器で一日中保温!電気代はいくらかかる?

監修者・竹村 直浩

会計事務所での経験を基にキャリアを開始。
約30年間にわたり、データベースマーケティング、金融、起業、BPO業務、新規事業立案に従事。
資金調達や財務管理にも精通し、現在は自ら代表を務める会社を経営しながら、経営管理や新規事業立案の業務委託も請け負う。

高齢の母が「温め直すのが面倒だから」と、炊飯器の保温を一日中続けています。
そんな姿を見て「電気代は大丈夫?」と感じたことはありませんか。
炊飯器の保温は便利ですが、長時間続けると電気代がかさみ、ご飯の風味も失われます。
本記事では、実際にどのくらい電気代がかかるのか、そしておいしさと節約を両立する方法を具体的に紹介します。

ご飯を1日中保温した場合の電気代の目安

「少しの電気代だから大丈夫」と思われがちですが、毎日の積み重ねは意外に大きな出費になります。一般的な炊飯器(5.5合炊き)の保温時消費電力は約30~50W。
そのまま24時間保温すると、以下のようになります。

保温時間消費電力量(Wh)電気代(1kWh=31円換算)
6時間約180~300Wh約5.6~9.3円
12時間約360~600Wh約11~18円
24時間約720~1,200Wh約22~37円

一見少額でも、毎日続けると1か月で約900円、1年で1万円を超える可能性があります。節約を意識していないと、気づかぬうちに家計を圧迫してしまうのです。


長時間保温によるご飯の変化とリスク

ご飯は時間の経過とともにデンプンが老化し、風味が落ちていきます。
保温を続けるほど乾燥や変色が進み、食感が悪くなるのです。

保温時間ご飯の状態
3時間以内炊きたてに近く、ふっくらおいしい
6時間やや乾燥し始める
12時間黄ばみやにおいが出る
24時間以上硬くなりパサつく、においが強くなる

さらに夏場は菌の繁殖リスクが高まります。炊飯器の保温温度は約60~70度であり、耐熱性のある菌が残ることも。特に高齢者や体調の弱い人にとっては、衛生面で注意が必要です。


電気代を抑えるおすすめの方法

冷凍保存でおいしさと節約を両立

炊きたてのご飯を小分けして冷凍する方法が、最も経済的で衛生的です。保温に比べ、電気代も安く、味の劣化も防げます。

保存方法電気代ご飯の風味保存期間
保温約30円/日徐々に劣化1日程度
冷凍約1円/回(レンジ解凍)炊きたてに近い約1か月

電子レンジで2〜3分温めるだけで、炊きたてのようなふっくらご飯に戻ります。
「手間がかからない」「電気代が安い」「安全」という三拍子がそろった方法です。


炊飯量を見直すことで節電につながる

高齢の方が一度に多く炊くと、食べきれずに保温を続けてしまうことがあります。
一食ごとの量を決めて少量炊き+冷凍ストックに変えることで、電気代を抑えつつ無駄も減らせます。

炊き方メリットデメリット
一度に多く炊く手間が少ない保温時間が長く電気代増
少量ずつ炊く新鮮でおいしい、節電できる炊飯回数が増える
小分け冷凍電気代最小、味も良好冷凍スペースが必要

ポイントは「自分の食べる分だけ炊く」こと。
食事のリズムに合わせるだけで、保温時間の短縮と電気代の削減が実現します。


タイマー機能を活用して効率よく炊く

最近の炊飯器には予約炊飯機能が備わっています。これを使えば、食事の時間に合わせて炊き上げが可能です。
保温時間を短くでき、常に炊きたての状態でご飯を食べられます。

活用方法効果おすすめ度
タイマーで朝炊き上げ保温時間を減らし節電★★★★★
夜炊いて朝まで保温ご飯が乾燥、電気代増★★☆☆☆
朝炊いて冷凍保存味・電気代ともに効率的★★★★★

予約機能を上手に使うことで、「炊飯=手間がかかる」という印象を減らし、節電と時短の両立ができます。


高齢者に多い「保温しっぱなし」習慣の背景

高齢の方が保温を続ける理由には、心理的な安心感と操作の簡単さがあります。
炊飯器のボタンひとつで温かいご飯を保てるため、電子レンジの操作が苦手な人には便利に感じられるのです。

しかし、長時間保温は味の劣化・電気代の増加・衛生面の不安を招きます。
特に夏場や湿気の多い季節は、炊飯器の内部温度が下がると細菌が繁殖しやすくなります。

問題点内容対策
味の劣化黄ばみ、におい、パサつき3時間以内で食べきる
電気代の増加1日約30円の出費冷凍保存で節電
衛生面のリスク温度低下で菌が繁殖夏場は特に保温を避ける

高齢者の生活習慣を尊重しつつ、「保温=便利」から「冷凍=賢い選択」へ意識を変えることが大切です。


省エネ炊飯器という選択肢も

最近では、省エネ性能に優れた炊飯器も多く登場しています。
例えば「スチーム保温」や「真空保温」などの機能を搭載したモデルでは、水分を逃さずにおいしさを保ちつつ、消費電力を約30%削減できます。

炊飯器の種類特徴電気代の目安(24時間保温)
一般型温度維持中心約30円
スチーム保温型蒸気で乾燥を防ぐ約20円
真空保温型酸化・乾燥を抑える約15円

新しい炊飯器への買い替えは初期費用がかかりますが、長期的には節電効果で十分に元が取れます。


まとめ

炊飯器の保温を一日中続けると、電気代は1日約30円、1年で1万円近い出費になります。
さらに、保温時間が長いほどご飯の風味が落ち、衛生面のリスクも高まります。

節約とおいしさを両立させるポイントは以下の3つです。

  1. 冷凍保存で炊きたてをキープ
  2. 食べる分だけ炊く
  3. タイマー機能を活用して無駄な保温をやめる

毎日の小さな工夫が、家計にも健康にも良い結果をもたらします。
高齢の家族には、保温ではなく「冷凍保存こそ安全でおいしい方法」だと伝えてあげましょう。
少しの意識で、電気代を抑えつつ温かいご飯を楽しむ暮らしが実現できます。

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